【腎機能低下患者の投与量】5-FU注(フルオロウラシル)




POINT
① 腎機能障害患者において用量調節の必要はなし
② 血液透析患者、腹膜透析患者において用量調節の必要なし
 当然添付文書上では腎機能障害患者は慎重投与になっていますので注意が必要です。
しかし一律で減量する必要はないと思われます。
〈以下IFより〉

5-FU は主に肝臓で代謝されるため、腎機能が著しく低下している患者でも一般に投与量 を調節する必要はないとされている 。

血清クレアチニン 1.5~3.0mg/dL の患者を対象にした 5-FU 1,000~2,600mg/㎡/d(週 1 回)の持続静注の臨床試験では、5-FU のクリアランスが低下する傾向や副作用が増加する傾向はなかったとしている。

しかし、慢性腎不全透析患者3名に5-FU 600mg/m2 を急速静注した際の血中濃度は腎 機能正常患者に比べて高いことから 、透析を受けていない腎障害患者でも副作用が強くでる可能性は否定できず、注意する必要がある。

また、クレアチニンクリアランス< 30mL/min のとき、5 -FU 投与量を 75%以下に調節するとよいという指摘もある 。

投与に際しては、患者への注意深い観察と臨床検査値を頻回にモニターすることが望まれる。

透析患者では 5-FU は透析によっても除去(除去率 79.5%)されやすいため 、一般的に透析時にも 減量の必要はないとされているが、急速静注の場合には透析中の投与が望ましいとする報告がある 。

ただし、減量の必要性を示唆する報告もあるので 、投与に際しては患者への注意深い観察と臨床検査値を頻回にモニターすることが望まれる。

※IF、腎臓病薬物療法学会「腎機能別薬剤投与量」参照