がん疼痛時に使用するレスキュー薬について

レスキュー薬とは

がん患者さんの痛みは基本的に2つに分けられます。

一つは一日中など痛みが続く「持続痛」、もう一つがいきなり痛みが出現する「突出痛」です。

この突出痛に使用するのがレスキュー薬です。突出痛に対しては速攻性のある薬剤を使用します。

がん患者さんの約70%に突出痛はあるといわれており、進行がんにおいて発生頻度が高いと言われています。突出痛は持続時間は短いですが、持続痛よりも強い痛みであると言われています。

 

レスキュー薬の種類と即効性について

よく院内で使用するレスキュー薬を下にまとめました。

患者さんが使用している徐放性製剤や使用可能な投与経路を考慮して選択していきます。

 商品名投与経路Tmax(平均)
モルヒネ製剤オプソ®内用液経口30 ± 12分
モルヒネ塩酸塩末経口30〜78分
アンペック®坐剤直腸内78~90分
オキシコドン製剤オキノーム®散経口102~114分
フェンタニル製剤イーフェンバッカル錠®経口腔粘膜35~40分
アブストラル舌下錠®経口腔粘膜30~60分

※Tmax : 最高血中濃度到達時間

Tmaxはどれくらいの時間で血液中の薬物濃度が一番高くなるかを表しています。

残念ながらその時間に一番効果が出ているというわけではありませんが、一つの即効性の目安になると思います。

一番私の施設で使用されているオキノームは案外Tmaxになるまで時間がかかっているんですね。

今回注射剤は載せていませんが、即効性が一番あるのは間違いなく注射剤です。

しかし外来の患者さんや入院中の患者さんでも今後退院を考えている方であれば、内服や舌下で対応できる薬を選択することがいいと思います。一回注射にすると内服などに戻すのが大変なので。

 

レスキュー薬の投与量について

よくいわれているのが経口投与では1日投与量の10%~20%です。もしくは1日量の1/8 (12.5%)~1/6 (16.7%)です。

注射剤では1日量の1/24もしくは1/12です。簡単にいえば24時間持続しているときの1時間量もしくは2時間量をレスキューとして投与(フラッシュ)します。

フェンタニル製剤(イーフェン、アブストラル)は少し例外的で1日投与量に関わらず少量から開始していきます。

 

レスキュー薬の投与タイミングと投与間隔

よくレスキュー薬を使用する際に患者さんが勘違いされていることとして予防的に内服して問題ないということです。

リハビリを行う患者さんでは当然リハビリで痛みが増強する可能性はありますし、食道がんの患者さんでは食事を摂取することで痛みが増強することが多々あります。

そのため投与タイミングの一つとして予防内服という手段があります。内服薬の場合は痛みが予測される30~60分前、注射の場合は15~30分前といわれています。

フェンタニル製剤(イーフェン、アブストラル)は即効性があり、半減期も短いため15~60分前と幅がありますが他の内服レスキューより早めがいいと思われます。

 

痛みが出現してからレスキューを使用する場合ですが、患者さん個々の判断で使用して問題ないと思いますが、一つの目安としてNCCNのガイドラインにはNRS: 4 以上のときに使用するとされています。

その痛みがレスキュー薬を使用しても改善されずNRS: 4~6の場合は再度投与することとなっています。

評価のタイミングとしては内服では内服後1時間、点滴ではフラッシュ後15分後と言われています。ですがこれはあくまで目安ですので患者さん個々に対応していただければと思います。

 

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