ステロイド製剤の投与量換算時の目安
病院で働いていると患者さんが内服できないから点滴に変えたい。どうすればいいの?とよく医師から聞かれます。
あまり量とか気にしなくていいならすぐ答えられるけど、ステロイドになると少し調べないと答えられないですよね。
参考になる資料がありましたのでご活用ください。 また内服から同成分の点滴に切り替える際の注意点ですが、私は基本的に同量で切り替えで、その後症状に応じて調節することがいいと思います。
作用時間 | 一般名 | 商品名 | 概算同等用量 (mg) |
短時間型 | ヒドロコルチゾン | コートリル錠 | 20 |
(コハク酸) | サクシゾン注、ソル・コーテフ注 | ||
(リン酸) | 水溶性ハイドロコートン注 | ||
中時間型 | プレドニゾロン | プレドニン錠、プレドニゾロン錠 | 5 |
(コハク酸) | 水溶性プレドニン注 | ||
メチルプレドニゾロン | メドロール錠 | 4 | |
(コハク酸) | ソル・メドロール注 、ソル・メルコート注 | ||
トリアムシノロン | レダコート錠 | 4 | |
(アセトニド) | ケナコルト-A注 | ||
長時間型 | デキサメタゾン | デカドロン錠 、レナデックス錠 | 0.75 |
(リン酸) | デカドロン注 | ||
ベタメタゾン | リンデロン錠 | 0.75 | |
(リン酸) | リンデロン注 |
(今日の治療薬2016 南江堂 p248を参考に作成)
これは補足になります。「ステロイド療法のエッセンス」には同成分の内服から点滴への切り替えに関して以下のように書かれています。
ステロイドの注射剤は水溶性を高める目的としてコハク酸エステルやリン酸エステルのような化学修飾が施されたプロドラックの形で使用されています。 これらは血中エステラーゼで加水分解されてから薬効を発揮すると考えられています。 このエステル体が尿中にも検出されていることから一部薬効が発揮されず排泄されている可能性があるとのことです。 また経口剤のバイオアベイラビリティは70~100%と非常に高いことを考慮して経口剤から注射剤に切り替える際は10%程度の増量が推奨される可能性がある。「ステロイド療法のエッセンス」より転記
10%程度切り替える際は考慮する必要があるみたいですね。けど10%です。プレドニン錠10mg⇒プレドニン注11mgに換算するということになりますね。
しかしあまり実臨床にはあっていないような気がします。(これは私の勝手な意見ですが)
基本的に私は上記の表に従って換算して、そのあと状態に応じて調節で問題ないかと思います。
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