【腎機能低下患者の対応】スーグラ錠(イプラグリフロジン)




POINT
① 軽度腎機能障害       60 ≦ eGFR < 60 のときは通常通り投与可能 
② 中等度の腎機能障害患者   30 ≦ eGFR < 60 のときは 投与必要性を慎重に判断 
③ 重度の腎機能障害患者        eGFR < 30のときは投与しない
④ 血液透析患者、腹膜透析患者         のときは 投与しない
 
・スーグラ錠インタビューフォーム・審査報告書参考

〈常用量〉

イプラグリフロジンとして50mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与

〈有効性について〉

  • 腎機能低下患者 PK/PD 試験において腎機能低下に伴い尿中グルコース排泄量の低下がみられた
  • 腎機能低下患者試験(CL-0072 試験)においてHbA1c 変化量はプラセボと比較して軽度腎機能低下患者で -0.56 %、中等度腎機能低下患者で -0.28 %であった
  • 比較試験併合において 45 ≦ eGFRの集団ではプラセボと比較してHbA1cの差に有意差がでたが 30 ≦ eGFR < 45 の集団では有意差がでず
  • 30 ≦ eGFR < 45集団については、プラセボ群が 3 例と少数であったため、有効性を検討するには限界があったものの、有効な症例は存在した


〈まとめ〉

  • 腎機能低下に伴い効果が減弱することがわかった。
  • 上記の内容から 中等度の腎機能障害患者の中でも 45 ≦ eGFR の患者では投与を推奨できると考える。
  • 30 ≦ eGFR < 45 の患者では悩むところではあるが、臨床試験上有効な症例があったことからHbA1c が高く、腎糸球体におけるグルコース濾過量が多いと推定される患者では投与を検討してもよいと考える。